Bishop3DでモデリングしたデータをPOV-Rayの既存のシーンファイルにincludeする時に一番手間取るのが、座標系の問題でした。Bishop3Dは、何故か座標系が右手系なのです。POV-Rayは左手系です。
使い始めて暫くは、POV-Rayでincludeしてから、scale 、rotate 、translate を駆使してPOV-Ray
のシーンファイルに組み込んでいました。これではモデリングにも、今まで作ってきたPOV-Rayのシーンファイルと組み合わせる時にも、実に不便です。最近になって、この座標系とモデリング時のViewportの設定を変更することが出来るのに気が付き、次の様な設定で使っていますが、かなり便利になりました。
(1)SceneのHandness
Scene Tree の object dialogs の中に
Handness の項目があります。そこのラジオボタンで、Right Handed(右手系、既定値)と Left
Handed(左手系)の選択が出来ます。私の場合、左手系に馴染んでいますので、ここは Left Handed を選択します。
(2)ViewportsのProperties
Handed を変更すると、各 Viewport の座標軸が変わります。しかし、既定値の三面図(Left Top Front)とパース図
(Persupective)は、私の場合どうしても使い辛いです。私の好みでは、ディスプレイ画面の奥行き方向をz軸とし奥がプラスで手前がマイナス、ディスプレイ画面の右方向がx軸のプラスで左方向がx軸マイナス、ディスプレイ画面の上方がy軸プラスで下方がy軸マイナスと設定するほうが自然にモデリング出来るのです。この空間が、ディスプレイ装置の中にあると思ってモデリングするのです。
そうすると、Left View はディスプレイ装置の左側面から見ることになりますから、yz Plane を x軸マイナス位置から見ることになります。同様に
Top View は zx Plane を y軸プラス位置から、Front View は xy Plane を
z軸マイナス位置から見ることになります。私がモデリングする場合には、物理的な装置であるディスプレイ装置と自分の眼の位置の関係を、そのまま三軸とカメラの位置の関係に置いたほうが分かり易いのです。
これはどちらが良いとか悪いとかいう問題ではなくて、単純に慣れの問題です。紙の図面をデスクに置いて考えることに慣れていれば、水平なデスク面が xy Plane
で、デスク上方が z軸プラス方向である右手系のほうが馴染むでしょうし、それに見合った三面図の表示になるでしょう。
これらを任意に変更することが出来ると言う事に、最近になってやっと気が付きました。各 Viewport の Property を変更してやればよいのです。各
Viewport (Left、Top、Front、Persupective) の左上角にあるボタンを右クリックすればメニューがポップアップしますので、その中から
[Propeties...] を選択し、各 Viewport の設定値を変更することが出来ます。
そこで、私の馴染みの表示になるよう、次のように変更しました。
(3)Propertyの変更
「Left」
Camera の Position を <-200, 0,
0>に、 Grid を yz Plane に変更。
「Top」
Camera の Position を <0, 200,
0>に、Camera の Roll Angle を 90 に、 Grid を zx Plane に変更。
「Front」
Camera の Position を <0, 0,
-200>に、 Grid を xy Plane に変更。
「Perspective」
Camera の Position を <-4, 6,
-12>に、 Grid を zx Plane に変更。
これらの設定は、作成した.bpsファイルの属性としては保存されるのですが、Bishop3D全体の既定値を変更すると言うことではないようです。
仕方が無いので、今のところ、オブジェクトを含まない新しい.bpsファイルに対して上記の設定を行い、それを自分用の template
ファイルとして保存しておき、新しくモデリングを始める時には、この template ファイルを open して使うようにしています。
Bishop3D フォルダに
new_scene_template.bps というファイルがあるのを見つけました。このファイルに上記設定を行っておけば、メニューの File で new
して新しいファイルを作成したら既定値の変更された新しいファイルが出来るのではないか、と思ったのですが、そうではないようです。既定値が変更できるオプションがあれば、もっと便利なのですが。